六堡茶・プーアル茶以外の黒茶各種@北京
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高級評茶員 第13回 覚書
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黒茶【六堡茶・プーアル茶以外の黒茶各種】
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今回のテーマは「黒茶」。
後発酵茶である黒茶で最も有名なお茶はプーアルだが、広西の六堡茶のほかに、少数民族が煮たりミルクティーやバター茶にして飲むお茶(辺銷茶)に使われるものにも黒茶は多い。
今回は、普段は飲むことのない辺銷茶である黒茶各種をズラーっと並べて飲み比べてみる、というレアな授業内容であった。
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【六堡茶】(ろっぽちゃ:liu4bao3cha2)
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産地;広西壮族自治区六堡郷
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二百数十年の歴史を持つ。
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1.六堡茶 単杯
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黒茶の中ではプーアルの次に有名なお茶。
円盤状になった“餅”型のものもあるらしいが、一般的には散茶で売られている。
プーアルと味が似ているので間違われることが多く、実際にプーアルとして高めの値段で売られていることもある。
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プーアルと六堡茶の違いは・・・
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プーアル・・・茶樹は「喬木型」/プーアル茶指定地域で製造されたお茶のことを指す。生茶と熟茶の2種類がある。
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六堡茶・・・茶樹は「灌木型」/広西壮族自治区六堡郷で作られたお茶のことを指す。熟茶しかない。
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※喬木・・・高い木/灌木・・・低い木
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後発酵茶のプーアルは冬季に飲むと体を温めると言われているが、その効能は六堡茶も同じ。
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わたしの個人的な印象では、六堡茶はプーアルのように味の当たりはずれが大きくなく、比較的低価格で安定した味のものが入手できるように思う。これは、プーアルはかつてのブームもあり熟成を急ぎ過ぎて失敗したものなどが多く出回っているが、知名度も価格も低い六堡茶は製造を焦る必要もないため、失敗作が少ないものと推察される。
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六堡茶の味は、わたしが今までに飲んだ範囲で言うと、特別美味しいプーアルよりは劣るが、日常的に飲む一般的なプーアル茶程度には美味しく、ほんのり小豆のような穀物系の味わいがある。
同じレベルのお茶を買うなら、知名度の低い六堡茶のほうが美味しいお茶(ランクの高いお茶)を買えることから、わたしは冬季には六堡茶を飲むことが多い。
プーアルより安くて、美味しい。
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六堡茶の評価としては、水色は「琥珀色」、香りは「檳榔(びんろう;bīnláng)香」と言われている。
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「檳榔香」と言われても、日本人には分かりにくい・・・と思ったら、やはり北京人にも分かりにくいと先生は言っていた。
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「檳榔香」を理解するために、先生が教室に「檳榔」を持ってきた。
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「食べたかったら食べてもいいよ」
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と言ってくれたが、わたしはすでに食べたことがあるので遠慮しておいた。
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わたしは以前、湖南省のお土産でこの「檳榔」をもらい、食べたことがある。
どんな味?っていうと、一言で言えばタバコを食べちゃった感じ。
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「檳榔」という植物の実の皮をガムみたいにくちゃくちゃ噛むもので、覚醒作用があるらしい。
タバコを食べちゃった味+薄荷味で、慣れていないと美味しいものではない。
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中国だと、湖南省や南方で良く食べられているようで、台湾でもこれをほぼ下着姿の若いおねーちゃんが長距離のトラックドライバー向けに道端で売っているのが有名。(何故下着姿なのかは理由は不明。トラックドライバーへのアピール?)
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北京などの北方では道端の「小売部」に「「檳榔あります」的な貼り紙をしてあるのをたまーに見かけることがあるが、北京人には檳榔を咬む習慣が無いため、一般的な店ではまず売っていない。
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で、六堡茶が「檳榔香」ということは、ちょっとタバコのようなスモーキーな香りがするということ。
広西のお茶なので、そういう北方人にはわかりにくい形容のされ方をしているのだろうか。
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どうでも良いトリビアだが、「ペナン島」はこの「檳榔」が名前の由来らしい。
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茶葉の香りで判断した結果は、#1〜#3のものが良い香りがし、#4、#5は埃っぽいような、質の悪いプーアル特有のにおいがした。
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味の比較を行ったところ、香りの良かった前半3つのうち、#1・#3がともに味が深く、2つをさらに詳細に味わってみると、#3のほうが若干味に深みと広がりがあった。
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実際のところは、やはり美味しかった#3・#1は2004年もの、次に美味しかった#2は2005年ものの六堡茶だった。時間を経て上手く熟成されていたようである。
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#4・#5は2007年ものだが、茶葉に水を撒いて発酵させる“渥堆(あくつい)”という過程が不十分なため、味に厚みが無くなっていた。
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2.六堡茶 対杯(#1~#3)
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3.各種黒茶 単杯
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先生が出してきてくれたのは、以下の黒茶。
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#1 康磚(生茶)1998年のもの
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四川省のお茶。“康”は地名。
教室で出てきたものは、一番近い喩で言うなら「腐葉土」。
日本の家に置いていたら、庭に撒かれそう。
飲んだ時の感想は、“同仁堂のにおい”。
漢方薬っぽいにおいがする。
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#2 蔵茶(熟茶)
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チベットのお茶。これはお土産用に綺麗にパッケージに入れられて売られているもの。
チョコレートのように包装された6gのお茶が2個しか入っていない。
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本来の姿はこんな感じ。
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この草に包まれた中に、ごっそり塊で入っている。
この状態だと非常に安いが、ルックスが悪いので、漢族向けに綺麗にパッキングされたものが漢族地域で売られている。
血圧を下げる効果、ダイエット効果など、“チベット”の神秘的なイメージと結びつけた健康のイメージで売られているという。実際の効果はプーアル茶と同じ程度。
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#3 蔵茶
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左の四角いのは#2の蔵茶(熟茶)
#3の蔵茶は四川省で売られていたもの(右下)(熟茶)
見た目はそっくりだが、プーアル茶(右上)(熟茶)
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#2の四角い蔵茶は、茶葉を細かく粉砕しておらず、チョコレートを髣髴とさせる厚みのある香りがした。黒糖の香りも感じられて、良質の茶葉で丁寧に作られたものであると推察される。
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#3の黄色っぽい紙に包装されていた蔵茶は茶葉が粉砕されていた。味も#2ほどは深みが無い。
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#4 黒磚 1998年もの
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湖南省のお茶。益陽のものが有名。
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今回試飲した6種の黒茶の中では、これが一番美味しいと思った。
味に深みがあり、煮たり、ミルクティーやバター茶にしなくてもこれだけで充分美味しい。
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#5 千両茶(花磚) 5~6年経過したもの
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湖南省のお茶。
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これもかなり腐葉土チック。
飲むのに勇気がいる感じだが、見かけほど怪しい味ではない。
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#6 茯磚 1998年のもの
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このお茶の注目点は、「発花」「発金花」と言われる微生物がお茶に発生すること。
*先生は、「黴ではない」と言っていた。
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湖南省のお茶。
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(湖南省で売られているが、作っているのは広西。湖南で作ったものには“発花”が付かないそうである)
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茯磚はこの「発花」が発生しているものが良いものらしい。
茯磚のみならず、これらの黒茶は衛生上の観点からも飲む前に2回洗茶を行った。
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茯磚は主に、新疆ウィグル族自治区や内蒙古自治区に出荷され、そのまま飲まれたり、牛乳で煮出してミルクティーとして飲まれたりしているという。
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わたしがこれを単独で飲んだ印象は、ちょっと酸味があると感じた。
単独だと、特に美味しいお茶ではない。
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これらマニアックな黒茶を同時に評茶することは滅多にない、ということで、お茶教室のスタッフの方も先生に呼ばれて、みんなで少しずつ試飲を行った。
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なかなかできない体験をした。
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以下は、中級評茶員の学習時に出てきた黒茶。
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青磚(せいせん;qing1zhuan1)
湖北省で作られる「老青茶」。
青茶を固めたものだが、黒茶に分類されている。
本来はもっと大きな緊圧茶のブロックを切ったのがこの形。
茶のブロックに「川」の字の上の部分が残っている。
主に内蒙古に出荷されている。
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青磚
横から見たところ。
カットしているので断面が見える。
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班禅緊茶(ばんちぇんきんちゃ;ban1chan2 jin3cha2)
「班禅」は“パンチェン”の音を漢字で表したもの。
チベットのパンチェン・ラマに献上されていたお茶。
キノコをまねて作った珍しい形の緊圧茶(固形茶)。
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普洱沱茶(プーアルとうちゃ;pu3er3 tuo2cha2)
雲南省の下関茶場で主に生産される、お椀形に固められたお茶。
雲南大葉種の晒青緑茶を固めただけのものが多いので緑茶に分類
されることもあるが、黒茶・紅茶でも作られている。
普洱団茶・女児茶・下関団茶など名前の変遷があるが、
今では「沱茶」と呼ばれるのが一般的。
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米磚(mi3zhuan1)
“米”は「小さい」という意味。
小さな粒状にした紅茶で作った緊圧茶。
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それにしても、辺銷茶は普段なかなか目にする機会が無いが、パッケージがどれも可愛くて萌えてしまう。
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あ〜。パケ買いしそう・・・。
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*各お茶の説明は以下の書籍を参考にしています。
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当ブログにエントリーした情報をindexページに纏めました。
《週刊中国的生活》 index:レストラン
《週刊中国的生活》 index:中国茶
《週刊中国的生活》 index:北京おもしろSpot
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- [2009/07/02 00:00]
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