スポンサーサイト 

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

[PR] 中国語留学のサポートなら

安渓鉄観音の味が変わった件について@北京 

高級評茶員 第7回 覚書

烏龍茶VOL.1【安渓鉄観音】


烏龍茶の第1回目は、最もメジャーな大陸烏龍茶である安渓鉄観音。
このお茶は春茶と秋茶があり、今がちょうど春茶のシーズン。

【安渓鉄観音】
福建省
安渓県西坪鎮などで作られている青茶。
名前の由来としては、「鉄のように重く、黒みがかっていて香りの高い、観音様の恵みの茶」という説もある。
茶葉はよじれてしっかりと引き締まり、黒っぽく、油を塗ったように光沢のあるものが良品。
柑橘系の「音韻(中国茶用語で、広がりのある甘味)」を持っている。

中国茶の本 』より

名前の由来には諸説あるが、清・乾隆帝の時代(1736~1796年)、安渓の茶農・魏蔭が、夢で見た茶が観音岩にあるのを見つけ、持ち帰り育て、茶を作った。香りが特別よく、挿し木で増やし、近所に配った。これが茶木「魏蔭種」になった。
別の伝説では、南山の鉄観石の間にあった1本の木を移植し育て、そこから「南岩鉄観音」と名付けられた。

中国茶図鑑 』より

名前に関する由来は諸説あるようだが、どの本にも「安渓鉄観音の茶葉の色は黒っぽく光沢がある」と書かれている。これは伝統的製法によってつくられた茶葉の説明だが、今現在売られている安渓鉄観音でこの条件に当てはまる茶葉はほとんど見かけない。

090520_cha(2).jpg
現代的製法で作られた安渓鉄観音

これが安渓鉄観音の茶葉だが、写真だとわかりづらいが、かなり緑っぽい。
安渓鉄観音の暗い緑色の茶葉を中国語では「砂緑色」と表現するが、実際には明るい緑色をしている。
伝統的な製法で作られた安渓鉄観音は発酵時間を比較的じっくりと取るが、市場の要求がもっと軽い、緑茶のような味を求めていることから、この発酵過程が短くなり、かなり青っぽい、茶葉が生々しい感じのものが多く売られている。
なので、茶葉の周囲が赤く発酵しているのものが伝統的な安渓鉄観音の茶葉の色なのだが、今の茶葉は全部綺麗な明るい緑色をしている。
この製法のものを「現代的製法で作られた安渓鉄観音」と呼んでおり、伝統的な製法で作られた安渓鉄観音が「濃香型」と呼ばれているのに対し、現代的な製法で作られた方は、「清香型」と呼ばれている。

本来、発酵過程をしっかりと行っている烏龍茶は冷蔵保存の必要が無いのだが、現代的製法で作られた鉄観音は常温保存では緑茶のようにすぐに質が変化してしまうため、冷蔵庫での保存が必要である。
今、茶葉市場やお茶屋さんで安渓鉄観音を買うと、大部分の店は茶葉を冷蔵庫から出してくるが、冷蔵庫から出してくる安渓鉄観音は現代的製法で作られた茶葉だと理解して良いと思う。

わたしは個人的には、武夷岩茶や広東烏龍茶のように、発酵のしっかりしたずっしりと重いお茶が好みなので、現代的製法で作られた安渓鉄観音を飲むと、よほど上手に作ったお茶で無いと生臭く感じてしまう。
馬連道の茶商で試飲させてもらっても、安渓鉄観音の専売店であっても生臭いお茶が出てくることがあり、なかなか「美味しい!」と思う安渓鉄観音に出会えない。
伝統的製法で作った茶葉を売っている店は、今ではとても少なくなっているようである。

今回の授業では、まず伝統的製法で作られた今年の安渓鉄観音の春茶を単杯で評茶し、その後、現代的製法で作られた安渓鉄観音の春茶で単杯評茶、その後、伝統的製法の茶葉を対杯で評茶した。

090520_cha(4).jpg
伝統的製法で作られた安渓鉄観音

   090520_cha(5).jpg 
現代的製法で作られた茶葉と伝統的製法の茶葉を茶底で比較。

評茶の方法については、「通用法」と「伝統法」と呼ばれる2つの方法がある。

烏龍茶以外の茶葉は「通用法」で評茶を行うが、烏龍茶だけは「伝統法」を用いる。

「通用法」では評茶専用のカップを用い、3gの茶葉に沸騰した湯を注ぎ5分間抽出を行う。
これに対し、「伝統法」では下の写真のような蓋碗を用い、5gの茶葉に対し、2分、3分、5分と3回抽出を行い、各回評茶を行う。

  090520_cha(11).jpg

090520_cha(10).jpg
手が2本出ているのは、老師とMさんの2人が同時に淹れているから。

お茶を習い始めた当初、最初の方で飲ませてもらえるのがこの安渓鉄観音で、その時、なんて美味しいお茶なのだろう!と感激したことをよく覚えている。
また、大董烤鴨店(団結湖店)でオーダーした安渓鉄観音がこれも感激するほど美味しかったことも覚えている。

その後、半年後ぐらいに大董烤鴨店に行くことがあったので、再度安渓鉄観音を注文し、同じく美味しかったら茶葉を譲ってもらおうと思っていたのだが、その時のお茶は感激するほど美味しくなかった。
以後、大董烤鴨店であの時のように美味しい安渓鉄観音がサーブされることは無くなり、お茶屋さんに行っても最初に感激したような安渓鉄観音の味にはまだ出会えていない。

美味しい安渓鉄観音を飲んだのが2006年頃だったので、ちょうどその直後から現代的製法の茶葉が安価に出回り出したのだろうか。これは経験からだけで思っただけだけど。

今回、評茶したお茶も、伝統的製法で作られた一番ランクの高いお茶はさすがに美味しかったが、他のものは一般的な味だった。
お店で試飲させてもらったら買わない程度の味だと思った。

安渓鉄観音、本来は大陸烏龍茶を代表するほど美味しいお茶であるはずなのに、美味しい製法で作られた茶葉が少なくなりつつあるのは、非常に残念なことである。

090520_cha(12).jpg  
左;本山(ホンザン) 右;毛蟹(モウカイ)

どちらも烏龍茶の名前である。

本山は安渓鉄観音より茶葉が若干小さめだが、鉄観音とほぼ同じ製法で作られているため、「観音の弟」と呼ばれている。
市場では鉄観音の需要が600斤(300kg)と言われているが、鉄観音の生産量は500斤(250kg)が限界であるため、残り100斤(50kg)は本山を足していると言われている。
また、本山を「安渓鉄観音」として売っている場合もある。

安渓鉄観音は福建省南部の烏龍茶、つまり「閩南烏龍茶」に属するが、安渓鉄観音以外の閩南烏龍茶を、“いろいろなお茶”という意味で「色種(シキシュ)」という名で分類している。
本山や毛蟹も「色種」に属し、またこれらをブレンドしたお茶も「色種」と呼ばれている。
毛蟹は「色種」のブレンドに使われることが多い。
コーヒーと同じく、ブレンドが上手く出来ているものはフローラルな香りがして美味しい。

090520_cha(1).jpg 

・・・ということで、次回は引き続き閩南烏龍茶の「本山」「毛蟹」「黄金桂」である。

「黄金桂」も2006年に雲南省のお茶屋さんで買ったものが忘れられない美味しさだったが、これもそれ以降、あれほど美味しい「黄金桂」に出会ったことが無い。
以前飲んだような安渓鉄観音や黄金桂に、再度出会いたいとずっと思っている。
もはや、幻?

 

+++
 
当ブログにエントリーした情報をindexページに纏めました。

《週刊中国的生活》 index:レストラン 
《週刊中国的生活》 index:中国茶 

+++ 

 

スポンサーサイト

[PR] 中国語留学のサポートなら

コメント

コメントの投稿















管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事のトラックバックURL
http://weeklychinalife.blog103.fc2.com/tb.php/456-03ac42ab

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。