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ニセモノ碧螺春を見分けられるか?@北京 

【碧螺春の説明部分で補足・訂正を入れました。】09年4月20日追記

今、まさに新茶のシーズン。

中国茶の中でも、江南茶区(安徽・江蘇・浙江)で摘まれる緑茶において、清明節(今年は4月4日)前に摘まれる新茶は「明前緑茶」といい、大変高価に取引される。
新聞の記事によると、北京の老舗茶屋である呉裕泰では明前龍井茶は500g5600元だとか。

お茶教室の先生によると、明前緑茶は摘まれる日によっても値段が変わるのだとか。
教室で買っているお茶も、3月26日に入荷したお茶と28日に入荷したお茶では全然値段が異なるらしい。茶葉は1日でも伸びてしまうので、1日違うと値段も下がってしまうのだ。

4月1日にお茶教室があり、この日は季節に合わせて緑茶の講義だった。
この日の授業は非常に面白く、実用的であった。

まず、机の上にずらーっと並べられた茶葉。
どれも碧螺春のような茶葉であるが、大きさ、色が微妙に異なる。

090407_cha (3)

洞庭碧螺春(dong4tiang2bi4luo2chun1)とは、どのような茶葉かというと・・・

江蘇省の洞庭山で採取される茶葉であり、“果花香”(フルーティーな香り)が特徴。
これは、果樹と茶の樹を並べて植えるからで、果樹の香りが茶の樹に移るからだと言われている。
白い産毛に包まれたクルっと丸まった茶葉。
お湯を入れた透明な容器に茶葉を後から入れる「上投法」で淹れるのが一般的。
グラスの中を上から下へ漂う姿は「雪花飛舞」と形容されるほど美しい。
二煎目のほうが美味しく飲めるのも特徴。

この写真の茶葉はすべて「碧螺春」という名前で売られている茶葉であるが、こんなに茶葉の大きさや色に差がでるわけはなく、とするとこの中のほとんど(或いはすべて)がニセモノということになる。

本日はこのニセモノの正体を暴く授業。
興味津津。

まず、乾燥した状態での茶葉を観察した後、同じ条件で茶を淹れて、各茶の味を比べてみる。

090407_cha (6) 

こうやって一斉に比べてみると、各茶、味が全く異なることがわかる。
茶の色(水色)も全然違う。
茶葉の香りもまったく異なる。
この6種類の茶葉は全く異なる茶であることがよくわかる。

090407_cha (7) 

茶の味と香りを比較した後は、茶を入れた後の茶葉(以下“葉底(ye4di3)”)を仔細に観察。
摘んだ状態の芽の大きさ、色なども異なることがよくわかる。

では、この6種類のお茶の正体は何だったのだろう?

090407_cha.jpg 

「1」「2」「3」とナンバーが振られた手前から3つまでのお茶。これは一応江蘇省内で摘まれた茶葉。

「1」は洞庭山西山のもの。しかし、実はこれは去年の茶葉。見た目は碧螺春の特徴を備えていたがやや黒ずんでおり、葉底の香りは所謂“花香”が漂っていたが、味は少し落ちていた。

「2」は無錫の茶葉。洞庭山のものではないが、江蘇省内で作られたお茶は「碧螺春」と名乗ることはできる。「洞庭碧螺春」と名乗ると産地偽装。
決して不味いわけではなく、むしろ龍井のようなこっくりした香り、中国人の表現するところの「板栗香(栗の香り)」がする。洞庭碧螺春の味ではないが、これはこれで美味しい。

「3」は太湖近辺で作られたお茶。江蘇省内で作られたお茶なので「碧螺春」と名乗ることはできる。
今回飲んだこのお茶は、乾燥の段階で失敗しており、葉底には焦げ臭い香りが残っていた。
製造の段階で失敗しているので、お茶のランクとしては低い。

090407_cha (4)  

後半の「4」「5」「6」の茶葉は比べると前半の茶葉より一回り大きい。
これで江蘇省の茶葉ではないことがわかる。

「4」の茶葉は福建省産。葉底からは緑茶というよりは紅茶のような香りがする。
これは「地域香」と言って、その地域独特の茶葉の香りだとか。
福建は茶の産地で様々な茶を作っているが、紅茶もその特産の一つであり、わたしが福建紅茶を飲んだときに感じる独特の「地域香」がこの茶葉にも含まれていた。

「5」の茶葉は四川省産。但し、これは「蒙頂甘露(meng1ding3gan1lu4」という四川省の有名な茶葉。
「揚子江心水、蒙山頂上茶」と呼ばれ、揚子江の水で作られた非常に上品な緑茶であり、この茶葉で作られた「碧潭飄雪(bi4tan2piao1xue3)」という名のジャスミンティーは非常に高価なのだとか。(一般的にジャスミンティーは福建省産)
飲んでみると非常に香りが高く、美味しいお茶。
碧螺春とは違う個性のお茶だが、もともと蒙頂甘露は皇帝への献上茶としても歴史がある有名なお茶。
しかし、蒙頂甘露は見た目が碧螺春そっくりなことから、ネームバリューに負けて、この時期は質の悪い蒙頂甘露は碧螺春として市場に出回っている。
わたしは四川省産の紅茶が好きでいつも飲んでいるのだが、「蒙頂甘露」にもその紅茶と同じ「地域香」がした。この紅茶も確か蒙山の茶葉で作られていたはずなので、なるほど、と思った。

「6」の茶葉は湖南省産。これも「古丈毛尖(gu3zhang4mao3jian1)」という立派な名前のあるお茶。
湘西土家族苗族自治州の中心、吉首の北に位置する古丈県で作られている、西晋代から伝わる歴史のあるお茶。
但し、この日飲んだお茶は去年のものだったので味と香りが少し落ちていたのが残念。

他にもう一種類碧螺春に酷似した茶葉の茶があり、これは貴州省産。但しこれも「5」「6」と同じく、「都毛尖(dou1yun2mao3jian1)」という貴州省の有名な緑茶。
この茶葉も外観が碧螺春に酷似していることから、碧螺春の名前で売られてしまっているのが惜しい。

「4」~「6」の茶葉は碧螺春としてはニセモノであるが、各地域では立派な歴史のある“名茶”である。但し、どの地域も江南茶区より南方であり、この地域では明前でも茶葉を何度でも摘むことが出来る天候であることから、この地域の茶葉は清明節前に摘まれても“明前茶”とは呼ばれない。そういう意味でも、“明前茶”と呼んでしまったらニセモノということになる。

+++

・・・ということで、今回机の上にこんなに「碧螺春」が並んでいたが、所謂“花果香”のある洞庭碧螺春の新茶は1つも無かった。

しかし、こうやって比較してみると、見た目は似ていても、味も香りも全く異なることが良くわかった。
もし、本物の洞庭碧螺春の味と香りを知っていたなら、お茶屋さんに行って試飲をさせてもらった際、茶葉の香りをかげば、かなりの確率でそれが本物かニセモノかは見分けられると思う。(“葉底”の香りが一番そのお茶の特徴が出ていたとわたしは感じた。)

今、北京の市場にはこのように、「碧螺春」という名でいろいろな茶葉が出回っているのだという。
これは2つの点で残念なことだと思う。
まず、1つ目は、洞庭碧螺春がなぜ高いかというと、それは美味しいからだ。
「花果香」という非常にフルーティーな香りのするお茶なので、高い値が付く。しかし、それを知らないで、ニセモノの碧螺春を買い、「碧螺春とはこんなものか。」と思われてしまうのが、非常に残念。
もう1つは、「蒙頂甘露」や「古丈毛尖」、「都毛尖」というような地方の名茶が、その名を隠されて、「碧螺春」として売られてしまっていること。
それぞれのお茶は歴史があり、碧螺春とは違った個性を持った非常に美味しいお茶である。
なので、例えば「蒙頂甘露」を「碧螺春」だと思って買い、美味しい、と思うのはそれはそれで良いことだと思うが、その美味しさは「碧螺春」の個性ではない。
できれば、「蒙頂甘露」の美味しさとして飲んでもらいたい、と思うのだ。


今回、新茶の洞庭碧螺春が登場しなかったのは残念であった。
本物の味と香りを充分に知っておかないと、ニセモノを見分けられないよー。

たぶん、次回には本物が教室に届いているはず。
それに期待して・・・。

+++

茶葉の解説は平田公一さんの『中国茶の本』を参考にしました。

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当ブログにエントリーしたレストランをindexページに纏めました。
レストラン選びのご参考に!

《週刊中国的生活》 index:レストラン 

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