《劉宅食府》老北京私房菜〈後篇〉@北京
老北京私房菜《劉宅食府》で食べた料理のご紹介、続く。
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過去記事:
老北京私房菜 《劉宅食府》 (2008年6月)
《劉宅食府》老北京私房菜〈前篇〉@北京 (2009年2月)
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爆肚(bao4du3) 18元
(これも今回の写真が無かったので、前回のもの)
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「爆肚 バクハラ」。
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凄まじい名前である。
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後海周辺の胡同などを歩いていると、店先に「爆肚」とデカデカと書いてある店があるが、非常に恐ろしい。(とわたしは思っていた。)
これが食べ物の名前とは。
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どんな料理かというと、羊の胃袋(牛でいうセンマイ)を刻み、熱湯にさっと通して唐辛子の効いたゴマだれなどのタレをつけて食べる老北京菜である。(好みで香菜もトッピングできる。)
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これも下処理の仕方で味が決まるのだと思うが、このお店の爆肚は全然臭みもなく、非常に美味しかった。アツアツの爆肚を唐辛子が効いたゴマだれをかけてパクっといく。
是、旨し!
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こういう料理は最初に不味い店で食べてしまうと嫌いになってしまうので、チャレンジしてみる場合には、美味しく料理している店で食べてみてほしい。
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北京には「爆肚馮」や「爆肚張」という爆肚の専門店もあるぐらい、北京っ子には人気の料理である。
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劉家風味烤兔(liu2jia1feng1wei4kao3tu4) 68元
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このお店、「果木烤鴨」という果物の樹で燻した北京ダックもウリにしているのだが、今回はダックはいいかな、ということで、ダックは注文せず(ダック食べると結構お腹いっぱいになっちゃうし)、「鳩、美味しいですよ。」という声があったため鳩を注文したが、生憎品切れ。
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ということで、兔さんを注文してみた。
兎食べるの、始めてかも。
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出てきた料理を見たらわかるが、香辛料てんこもりなので、正直肉の味そのものはよくわからなかった。
やはりにおいがキツイのかな?
でも、肉は非常に柔らかく、美味しく頂けた。
肉の味にクセは無い感じだった。(或いは香辛料でうまく消されていたのか。)
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今度は鳩を食べてみたいなぁ。(品切れと言われると食べたくなる。)
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「丸子」って・・・・つまり、肉団子のこと。
メニューには正式名称があったようにも思うが、忘れた・・・。
このお店では、写真のような状態と、餡かけなのかな、“乾いていない状態”と2種類調理方法が選べる。今回は“乾いている状態”をオーダーしてみた。
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肉団子そのものだが、しっかりカリカリに揚げてあり、手前のニンニクたっぷりのタレに付けて食べると美味。
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このカリカリ肉団子、好きだな。
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「抓」は“手でつかむ”、「炒」は“炒める”、「里脊」は“ヒレ肉”。
「北京風酢豚」と訳されることが多いようである。
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北京で有名な調理法の一つである抓炒というのは、切った生の材料に衣をつけて揚げ、澱粉を加えた混合調味料で仕上げる炒め方です。他の炒め方ではくずれてしまうような柔らかい材料に適しています。
この調理方法には四大抓炒というものがあり、一つはこのメニュー名である「抓炒里脊」(豚のヘレ肉)。その他に「抓炒腰花」(豚の腎臓)、「抓炒魚片」(白身魚)、「抓炒蝦仁」(エビ)があります。
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よくレストランで見かける「糖醋里脊」とは同じ料理らしい。(ここ参照)
ヒレ肉をスッパ甘辛く味付けしてあり、とても食べ易くて美味しい料理である。
わたしも普通に大好き。
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韮菜餡糊餅(jiu3cai4xian4hu1bing2) 10元
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「韮菜」は“ニラ”、「餡」はそのまま“あん”、「糊餅」はトウモロコシの生地のこと。
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北京などの中国北部では、小麦と同様、トウモロコシも主食として良く食べられている。
〝窩頭(wo1tou2)〞(トウモロコシやコウリャンなどの粉を捏ねて円錐形に丸め蒸した食品)など有名な伝統食品も多い。
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「韮菜餡糊餅」は、トウモロコシの粉で作った生地の上に卵とニラ、干した海老などをのせて焼いた北京風ピザのような食べ物だ。(写真の写りが悪いのが残念!本当はとっても綺麗なのだけど。)
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アツアツのニラと卵の食感と、トウモロコシ生地のパリッサクッとしたクリスピーな食感がなんとも幸せな一品。
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これは熱いうちにかぶりつきたい。
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「糊」とは中国語で“塗り込む”という意味。生地や餡を鍋に塗りこむことからこの名前が付いているとか。「塌」は“ぺしゃんこになる”意味。
塗り込んでぺしゃんこになったもの、という名前になるだろうか。
韓国料理の「チヂミ」のイメージにとても近い。
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小麦粉と卵の生地に西葫蘆(xi1hu2lu)という瓜の一種のような野菜の千切りを混ぜ込んで焼いた「餅」で、フワフワな食感が美味しい。
たれは生ニンニクが強烈だけど「餅」に合うので、「ニンニク臭っ!」と言いつつも箸がのびてしまう。
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劉宅三不沾(liu2zhai2san1bu zhan1) 50元
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また出た。
へんな名前の料理。いかにも由来のありそうな料理名。
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「三不沾」とは食べる時、箸につかない、皿に付かない、歯につかないことからこの名前が付いたそうな。
「三不粘」と書いているところもある。
実際は、若干箸にはついたが、たしかに粘りがある割にはくっつかない。
原料は卵、砂糖、ラード、でんぷんだけで、溶いた卵黄にでんぷんの粉と砂糖を加えて、鍋でラードとともにゆっくり時間をかけて丁寧に練ったものだとか。 (一説によると108回練るらしい。つまり、非常によく練るということなのだろう。)
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「このスイーツは現在中国でも北京の「同和居飯庄」(西城区三里河月壇南街乙71号)という店だけで出されるもので、練り加減が難しく、中国では2人しか作れないといわれる」、と書いてある記事もあったのだが、とするとこれは???(まさか中国で2人しか作れない料理人が作った料理ではあるまい・・・)
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「劉宅」とついているので、劉家風にアレンジをしてある、ということかな。
なかなかお目にかかれないスイーツだったので、堂々と「劉宅三不沾」とわざわざ料理の上に明記してあるのだろう。
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この究極のアジアンスイーツのお味だが、一言で言えば固めのカスタードクリーム。
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材料がほぼカスタードなので、それは納得。
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もっと詳しく言うと、安っぽいエッグタルトの上に乗っているカスタードクリーム(固め)の味、というのが一番正確かと思う。(“安っぽい”というのがポイント。)
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結論を言うと、感激するほど美味しいものでは・・・。
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「中国で2人しか作れない」本物の「三不沾」は、きっと本当に「究極のアジアンスイーツ」なのだと思う。
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味が結構チープな割にはお値段が高かったのは、作るのに手間がかかるからだろう。
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決して不味いわけではないので、甘党の方は試してみては?
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北京小吃拼盤(bei3jing1xiao3chi1pin1pan2) 22元(甘味プレート)
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これはかなり楽しい一皿。
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北京の伝統的な甘味の小吃が少しずつ出てくる。
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中央の黄色い羊羹みたいなのは豌豆黄(wan1dou4huang2) 、きな粉餅みたいなのは驢打滾(lv2da3gun3)。「驢打滾」もこれまたへんな名前のお菓子だ。もちの米で作った蒸糕が、小さなロバが地ベタの上で転がり回っているようにきな粉の中で転がされることからこう名づけられたものだとか。
中の餡子はナツメ餡。
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関連過去記事:
チャイニーズスイーツ;《豌豆黄》
伝統的中国甜品@北京
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こういうお菓子、とっても美味しいと思うのだけど、一般的なレストランにはあまり置いていない。
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家常菜の中華レストランだと、スイーツ系は「抜絲(ba1si1)」類や、胡麻団子ぐらいが定番かな?
チャイニーズスイーツが充実しているお店だと、今度はマンゴプリンや杏仁豆腐といった香港や台湾から来た南方スイーツが中心となって、この北京伝統の甘味に巡り合えるお店というのがなかなか難しい。なので、こういうプレートで綺麗に出てきてくれると、とっても嬉しいのだ♪
(手軽なところだとスーパーでも売っているけど。)
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このプレート、そんなに大きくないので、甘党だったら2人でも食べられる。(自分基準)
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他にも北京的甘味は充実しているので、是非デザートまで食べてみてほしい。
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以上の料理を10名で食べた。
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各料理の値段を見てもらったらわかるが、この店、単価はそれほど高くない。
北京ダックも、普通のが80元前後、高い方で145元ぐらいだったと思う。
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今回のお値段は、これにビールもたらふく飲んで、1人60元だった。
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安くて美味しくて、雰囲気も良し。
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わたしのお気に入りのレストランの一つである。
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◆アテンド情報◆
トイレは5つ星中★★★☆☆(3星)レベル。扉はあって鍵もかかる。水も流れる。日本で言ったら地下鉄のトイレレベルかなぁ。男女共用。
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《劉宅食府》
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中国美術館より一本北側の「蒋家大院胡同」
(三聯書店横の北京銀行の向かい側の胡同)
を入ると看板が見えます。
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Ph;010-6400-5912
10:30~23:00
(大人数で行くときは予約した方が良いです)
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- [2009/03/04 00:00]
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